中古車を選ぶ際に県外まで選択肢を広げれば、希望条件にあった中古車がより見つかりやすくなります。
中古車を購入すると、実際にハンドルを握って公道を走れるようになるまでにさまざまな登録を行わないといけませんし、登録にかかわる費用が発生します。
これらの費用は「登録諸費用」と呼ばれていますが、登録諸費用の中には中古車を購入する場所によって追加で発生する費用があり、県外から中古車購入する際に発生する「県外登録費用(他府県登録費用)」がそれに該当します。
また中古車を県外で購入した場合、納車費用や納車期間も県内から購入した時と異なってきます。
したがって、県外から中古車を購入する場合は、
県外登録費用などを含めた費用がどれくらいかかるのか?
納車までの流れとかかる費用・期間はどれくらいになるのか?
といった確認も必要です。
ここでは県外から中古車を購入する時に発生する費用や、納車までの流れとかかる費用や期間について、実際に県外から中古車を購入した事例などを交えながら紹介します。
・県外登録費用(他府県登録費用)はどれくらいかかるのかを知りたい
・中古車を県外から購入するときの流れが知りたい
・県外から中古車を購入した場合の納車費用や期間が知りたい
県外登録費用(他府県登録費用)はどれくらいかかるのか
県外登録費用(他府県登録費用)はどれくらいかかるのか?の前に、そもそも県外登録費用(他府県登録費用)とはどんな費用なのか?ということを解説します。
県外登録費用(他府県登録費用)とはどんな費用か
県外登録費用(他府県登録費用)とは、県外で購入した車を使用者の住民票がある都道府県で登録するためにかかる費用のことです。
車を購入して公道を走らせるためには、その車固有のナンバープレートを掲示しないといけません。
ナンバープレートにはその車の識別として付与された最大4桁の固有の番号と、5ナンバーや3ナンバーで通称されるその車の種別による分類番号、自家用やレンタカーなどの区分を示すひらがな一文字、そして地名(都道府県名)が表示されています。
出展:自動車検査登録情報協会
この地名はその自動車の管轄となる運輸支局または、自動車検査登録事務所の所在地が表示されています。
登録する自動車の管轄となる運輸支局や自動車検査登録事務所は、使用者の住民票のある都道府県であることが定められていますので、県外にある中古車を購入した場合は購入者の住む都道府県で登録を行わなければなりません。
県外登録費用(他府県登録費用)の内容と相場
県外登録費用の内容と相場は以下の通りです。
県外登録費用 | 内訳 | |||
登録事務手数料 | 陸送費 | 距離(㎞) | 陸送区間 | |
47,400 | 15,000 | 32,400 | 142.8 | 東京-静岡 |
63,600 | 48,600 | 259.1 | 東京-愛知 | |
69,000 | 54,000 | 395.9 | 東京-大阪 | |
78,720 | 63,720 | 675.1 | 東京-広島 | |
85,200 | 70,200 | 880.6 | 東京-福岡 | |
90,600 | 75,600 | 962.7 | 東京-鹿児島 | |
53,880 | 38,880 | 238.9 | 東京-福島 | |
64,680 | 49,680 | 304.9 | 東京-宮城 | |
74,400 | 59,400 | 463.8 | 東京-岩手 | |
77,640 | 62,640 | 577.3 | 東京-青森 | |
85,200 | 70,200 | 831 | 東京-札幌 |
県外登録費用の内訳の大部分は陸送費
上記の通り、県外登録費用は登録のための事務手数料と使用者の住民票がある都道府県の陸運局まで運ぶ費用を合わせたものになります。
上記の相場表では登録のための事務手数料を15000円で計算していますが、実際は10000円から20000円くらいが相場です。
このように県外登録費用の大部分は陸送費ということになり、その費用は陸送する距離や車種によって変わってきますので、県外から中古車を購入する場合は県外登録費用(他府県登録費用)も加味しながら検討することも大事です。
県外から中古車を購入する時の流れ
結論から言えば、県外から中古車を購入する場合も基本的な中古車購入の流れは、地元近所の中古車販売店や新車ディーラーから購入する場合とそう大きくは変わりません。
内容 | 県内で購入する場合 | 県外から購入する場合 | 必要書類・参考情報 |
①条件に合った中古車探し | 実際に中古車販売店や新車ディーラーをまわっての中古車探し | ネットを中心とした中古車探し | グーネット、無料中古車探しサービス |
②見積もり依頼 | 店舗でセールスマンに依頼 | WEBもしくは電話で依頼 | メール、電話、見積もり依頼フォーム等 |
③仮契約 | 店舗で契約 | メールやり取りで契約 | ローンで購入する場合は、ローン審査書類に必要事項を記入しFAXもしくはメールで返送 |
④契約書類作成 | 店舗で作成 | 自宅で作成 | 売買契約書・委任状・ローン申込用紙 |
⑤車庫証明申請 | 中古車販売店や新車ディーラーに任せる | 自分で取得する場合もあり | 自動車保管場所証明申請書 保管場所標章交付申請書 車の保管場所の所在図・配置図 自認書 保管場所使用承諾証明書 |
⑥必要書類返送 | 店舗で提出 | 郵送 | 到着書類+印鑑証明(または住民票) ローンの場合 免許証コピー 車庫証明 |
⑦納車方法の決定・納車 | 店舗まで取りに行くor自宅へ納車 | 陸送もしくは取りに行く | 陸送費用と取りに行く場合の交通費などを天秤にかけて決定 |
①条件に合った中古車探し
どこで中古車を購入するにしても、まずは自分の希望条件にあった中古車を探すというのが第一歩です。
自分の希望する条件に合った中古車を探すときは、その選択肢が多ければ多いほど巡り合う確率も高くなりますので、そういった意味からも県外にある中古車も含めた車探しはおすすめです。
県外から希望条件に合った中古車を探す方法
県外から希望条件に合った中古車を探す方法には大きく分けると、
(1)中古車販売店を1軒づつ回る
(2)ネットの中古車検索サービスで探す
(3)条件に合った中古車を探してもらう
という方法があります。
(1)中古車販売店を1軒づつ回る
中古車販売店を一軒づつ回れば、自分で現車確認ができるというメリットはありますが、時間的な問題や労力を考えるとその都度県外まで出向いて中古車を探すというのはなかなか難しいともいえます。
(2)ネットの中古車検索サービスで探す
グーネットやカーセンサーなどがネットで展開している「中古車検索サービス」は、誰でも簡単に県外も含めた中古車探しをすることが可能です。
グーネットやカーセンサーは、希望条件にあった中古車が見つかったらそのままウェブ見積もりを依頼することが出来るのと、見積もり依頼時はこちらの電話番号や住所等の情報入力は不要なので、必要以上に個人情報を開示する必要がありません。
見積もり後に一方的に営業をかけられてウザいといったこともないので安心して利用することができます。
(3)条件に合った中古車を探してもらう
条件に合った中古車を探してもらうのは、忙しくてなかなか自分で中古車を探すことができないといった方におすすめの方法です。
また車にはそれほど詳しくなくて中古車の程度の良し悪しを見極める自信がないといった方にも、プロの中古車アドバイザーが提案してくれるので安心して購入検討をすることができます。
具体的にはどんな内容?
株式会社ウェブクルーが提供している
全国30,000台の在庫の中から希望条件に合った中古車を探して提案してくれるのはプロの中古車アドバイザーで、もちろん修復歴などの素性はきちんとチェックして提案してくれます。
②見積もり依頼
希望条件に合った中古車が見つかったら、中古車販売店へ諸費用含めた支払総額の見積依頼をかけます。
先にも述べた通り、グーネットの場合であればそのままウェブ上の見積依頼フォームから無料で見積依頼をかけることが出来ます。
③ローン審査などの仮契約
見積依頼をかけると中古車販売店より見積結果の回答があります。
見積り回答の内訳は大体以下のような内容になります。
販売価格 | 販売価格(車両本体)① | 車両本体の価格 |
お値引き② | ||
整備費用③ | 中古車の場合は整備費用がここに計上される | |
販売価格小計(①+②+③) | ||
手続代行費用④ | 登録代行手数料、車庫証明代行費用、県外登録費用など | |
預り法定費用等⑤ | 税金や自賠責保険料 | |
消費税 | ||
販売価格合計⑥ | ||
支払条件 | 下取価格②’ | 下取車がある場合 |
下取車残債③’ | ローンの残債等をまとめて処理する場合 | |
お支払総額⑥-②’+③’ | 販売価格より下取車に関する費用を加減 |
中古車販売店との直接やり取りを開始し、購入の意思が固まると売買契約を締結しますが、その前にローンで車を購入予定の方はオートローンの審査を受ける必要があります。
そのためにはまずは購入希望車両を抑える意味も含めて仮契約を交わし、仮契約の内容をもってローン会社の審査を受けます。
この時の仮契約書類は、中古車販売店やディーラーが契約している信販会社のクレジット申し込み書に必要事項を記入し行います。
県外から中古車を購入する場合は、まずは販売店から支払金額総額を記入したクレジット申し込み書を送ってもらい、必要情報を記入しFAXかPDF化してメールで返送すれば審査が開始されます。
④正式契約
仮契約でローン審査が通ったら、いよいよ本契約を結びます。
車の購入にあたっての契約は以下の書類を準備する必要があります。
1.売買契約書
2.委任状
3.オートローンで購入の場合はクレジット申し込み書
県外の中古車を購入する場合で販売元の店舗で契約を取り交わさない場合は、これら一連の契約書類を郵送でやり取りすることになります。
契約書の郵送とともに登録に必要な書類関係も準備して送付すれば、スムーズな契約が可能となります。
⑤必要書類の準備
車を購入する場合は、普通車を購入する場合は印鑑証明と車庫証明書、軽自動車の場合は住民票と場所によっては普通車同様に車庫証明が必要になります。
車庫証明は通常車を購入した中古車販売店やディーラーが取得代行してくれますが、県外の中古車を購入した場合も同様で、販売店等が取得してくれます。
ただし県外からわざわざ店頭の営業マンが車庫証明取得に来るのではなく、その都道府県に住む行政書士に代行依頼を行い取得します。
行政書士に代行を依頼すると、車庫証明の取得費用として2万円以上かかりますが、自分で取得すれば2千円程度の費用で済みます。
車庫証明を取得するには平日の昼間に管轄の警察署に行って申請手続きを行う必要がありますが、申請手続き自体は事前にネットで必要書類をダウンロードし準備しておけばすぐに終わりますので、車を購入した際の手続き費用を安く抑えたい方にはおすすめです。
⑥必要書類の返送
自分で取得した場合は管轄の警察署より発行された車庫証明と印鑑証明書または住民票、ローンで購入する場合はクレジット申込書と運転免許証のコピーを返送します。
書類が届き次第中古車販売店は登録手続きを開始し、早ければ2週間くらいで納車可能となります。
県外で中古車を購入するとナンバープレートは県外で登録されて県外ナンバーになるのかといった疑問をもたれている方もいますが、新車・中古車にかかわらず車の登録は使用者の住民票のある都道府県を管轄する陸運局で行う必要がありますので、県外で中古車を購入しても県外のナンバー登録にはなりません。
⑦県外から中古車を購入した場合の納車期間
県外から中古車を購入した場合の納車期間は、車検がある場合は若干早く納車可能となりますが、登録手続きや納車前整備を含めると2週間から3週間が相場です。
陸運支局での車両登録が完了しナンバープレートの取得と中古車販売店やディーラーでの納車前点検整備が完了すれば納車引渡しとなります。
県外から中古車を購入した場合の納車費用
県外から購入した場合、どのような方法で納車をするのかというは納車費用節約の観点からもしっかりと検討する必要があります。
県外から自分の住む都道府県までの納車にかかる費用は、先に紹介した県外登録費用の中の陸送費と同じになるので自分で取りに行った場合の交通費と比較してどちらが得かということをしっかりと検討しましょう。
納車費用 | ||||
陸送納車の場合 | 自分で取りに行った場合※ | |||
陸送費 | 陸送区間 | 合計(往復)①+② | ①高速料金 (帰り) | ②公共交通機関 (行き) |
32,400 | 東京-静岡 | 12,010 | 8,600 | 3,410 |
48,600 | 東京-愛知 | 20,820 | 14,440 | 6,380 |
54,000 | 東京-大阪 | 20,010 | 11,100 | 8,910 |
63,720 | 東京-広島 | 28,820 | 16,940 | 11,880 |
70,200 | 東京-福岡 | 48,890 | 22,740 | 26,150 |
75,600 | 東京-鹿児島 | 61,520 | 27,940 | 33,580 |
38,880 | 東京-福島 | 10,930 | 6,090 | 4,840 |
49,680 | 東京-宮城 | 18,760 | 7,550 | 11,210 |
59,400 | 東京-岩手 | 25,710 | 10,900 | 14,810 |
62,640 | 東京-青森 | 31,360 | 14,100 | 17,260 |
70,200 | 東京-札幌 | 57,900 | 30,660 | 27,240 |
※県外の販売店までの行きは公共交通機関、帰りは購入した車両に乗って帰る場合の金額
※ガソリン代や途中の食事代などは含まず
その他の県外からの中古車購入に関するQ&A
ここまで中古車を県外から購入するときの流れやかかる費用、納車期間などについて紹介してきました。
その他の県外からの中古車購入に関するQ&Aを紹介します。
Q:中古車販売店は中古車を県外から取り寄せてくれるの?
A:販売店によって対応は異なりますが、全国規模の販売ネットワークを持たない業者が販売する中古車の取り寄せは難しいでしょう。
たとえばガリバーなどの全国に販売店舗をもつ大手中古車販売店であれば、店舗間での取り寄せにも柔軟に対応してくれますが、ネットワークをもたないローカルな中古車販売店の場合だと、県外でその車を取り扱っている中古車販売店から業者間で売買交渉を行うことになります。
この場合、当然ながら取り寄せをする中古車販売店は県外でその車を取り扱っている中古車販売店に利益を支払う必要があり、そこで支払った利益分はその車を購入するユーザーから回収することになります。
さらに取り寄せに伴う陸送費やその他手数料なども上乗せされますので、取り寄せる距離にもよりますが結構な追加費用を支払うことになります。
それ以前に取り寄せ先がネットワークを持たないローカルな中古車販売店にとっては地元で自社のお客さん確保と囲い込みが重要であり、そういった観点からも他県の同業者への販売は拒否されることも多いのです。
Q:ディーラーなら中古車を取り寄せてくれるのか
A:取り寄せ不可の場合が多いです。
全国規模の販売ネットワークを構築しているといえば新車ディーラーもそれに該当しますが、新車ディーラーなら県外にある中古車を自社のネットワークで取り寄せてくれるかというと、断られるケースがあります。
その理由は新車ディーラーにとって、自社で販売する中古車を購入してくれたユーザーは将来的に新車購入に繋がる貴重な潜在顧客となるためです。
なので新車ディーラーにおいてもやはり将来の新車購入に繋がる顧客をみすみす手放すようなことはしないということですね。
まとめ
・県外から中古車を購入する場合でも流れは県内で中古車を購入する場合と同じ
・中古車選びの時間がない&自信がない人は
・納車期間は2~3週間が相場
・納車費用=陸送費なので、取りに行った場合の交通費と天秤にかけて決めよう
カーライフアドバイザー 篠崎 律子
記事内容は編集部の体験談や独自のリサーチ結果に基づく内容が含まれています。
記事内容に関するご意見等は、お問い合わせフォームよりお願い致します。
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