KINTOはトヨタ自動車が展開する「車のサブスク」サービスです。
サブスクという呼び名は最近いろんな分野で耳にする事が多くなりましたが、サブスクリプション(定期購読、継続購入)の略称で、トヨタKINTOの場合もトヨタ車を購入するのではなく、月々定額の利用料金を払うことでトヨタとレクサスの各モデルに乗ることができるサービスです。
ガソリン代と駐車場代以外の、任意保険まで含めた車に係る全ての維持費用を込みでトヨタとレクサスの新車に乗れる画期的なサービスですが、その一方でKINTOは高すぎると言った声も聞きます。
リリースされてから約3年が経過し、徐々に利用者も増えてきている「KINTO」は本当に高すぎるのか?について、実際に車を購入した場合にかかる月々の支払金額や総支払い額との比較をもとに解説します。
KINTOは本当に高すぎるのか?
まず結論から言えば、KINTOは他の車を所有する方法に比べて高すぎるということはありません。
むしろ20代で車を購入し、車両保険付きの任意保険を新規に契約する方であれば、車を購入するよりも「KINTO」を利用する方がトータルコストを抑えたカーライフを楽しむ事ができる可能性があります。
実際に具体的な車種とその契約内容をもとに、その詳細を紹介してみたいと思います。
KINTOに付帯する任意保険について
まずKINTOの月額利用料金の中には、任意保険料も含まれています。
したがってKINTOと、実際に車を購入した場合に発生する月々の支払額や支払総額を比較するには、KINTOと同レベルの補償条件の任意保険に支払う金額も含めて比較する必要があります。
ここでは一旦KINTOと同レベルの補償内容の任意保険に、新規で加入したという前提で検証を行ってみました。
ちなみにKINTOのサブスクリプション契約に含まれる任意保険の補償内容は以下です。
項目 | 補償内容 | 備考 |
対人・対物 | 無制限 | |
ご自身・同乗者傷害 | 〜5000万円 | レクサス車は1億円までとなります |
車両保険 ※ | 免責5万円 | 全損や盗難の場合は免責なしで補償 |
※車両保険の補償範囲は車対車だけではなく、車庫入れに失敗して傷付けたなどの自損事故も含まれる一般条件での補償となります。
※KINTOに付帯する任意保険は万が一事故を起こして保険を使った場合でも保険料は変わりません。
KINTOと同等補償レベルの任意保険金額の試算結果
では実際に車を購入し、KINTOの任意保険と同等補償レベルの任意保険を契約した場合、いくらの金額になるのかを試算してみます。
22歳でトヨタヤリスクロスを購入し、KINTOに付帯する任意保険と同等補償レベルの任意保険をかけた場合と想定すると、年間で257,660円の保険料が発生し、月額にすると21,472円になります。
補償項目 | 補償内容 | 保険料(円/年) |
対人賠償 | 無制限 | 84,567 |
対物賠償 | 無制限 | |
対物全損時修理差額費用特約 | 50万円 | |
人身傷害保証特約 | 5,000万円 | 18,863 |
無保険者傷害保険 | 2億円 | |
搭乗者傷害 | 1,000万円 | |
車両保険 | 290万円 | 154,230 |
免責5万円 | ||
合計 | 257,660 |
ヤリスクロス HYBRID Z 1.5L/CVT/E-Four/ 車両本体価格 2,815,000
運転者21歳以上限定での見積もり
車両をローンで購入した場合の金額
次に同じく22歳で同じグレードのヤリスクロスをローンで購入した場合の、月々の支払い金額をシミュレーションしてみます。
ローン条件 | 支払い回数(年数) | 36回(3年) | 60回(5年) | 84回(7年) |
実質年率 | 6.00% | 5.20% | 5.00% | |
ボーナス払い(1回あたり) | ¥110,000 | ¥110,000 | ¥110,000 | |
月々の支払額 | 月々支払い金額 | ¥67,700 | ¥32,400 | ¥18,700 |
任意保険(期間平均) | ¥18,821 | ¥17,442 | ¥16,561 | |
月々支払い額合計 | ¥86,521 | ¥49,842 | ¥35,261 | |
車両関連費用 | 車両本体価格 | ¥2,815,000 | ¥2,815,000 | ¥2,815,000 |
オプション | ¥77,000 | ¥77,000 | ¥77,000 | |
税金・諸費用 | ¥98,830 | ¥98,830 | ¥98,830 | |
下取り金額 | ¥0 | ¥0 | ¥0 | |
頭金 | ¥500,000 | ¥500,000 | ¥500,000 | |
分割手数料 | ¥240,841 | ¥329,494 | ¥463,098 | |
車両支払い総額 | ¥3,731,671 | ¥3,820,324 | ¥3,953,928 | |
維持費 | 自動車税(30,500円/年) | ¥91,500 | ¥152,500 | ¥213,500 |
12ヶ月点検 | ¥15,000 | ¥30,000 | ¥45,000 | |
24ヶ月点検 | ¥15,000 | ¥15,000 | ¥15,000 | |
初回車検(3年目) | ¥0 | ¥120,000 | ¥120,000 | |
2回目車検(5年目) | ¥0 | ¥0 | ¥120,000 | |
任意保険(期間年額合計) | ¥677,550 | ¥1,046,545 | ¥1,386,911 | |
車両支払い総額①+維持費② | ¥4,530,721 | ¥5,184,369 | ¥5,854,339 | |
リセールバリュー | ¥-1,829,750 | ¥-1,407,500 | ¥-844,500 | |
支払い総額 | ¥2,700,971 | ¥3,776,869 | ¥5,009,839 |
車両のローン試算はトヨタ見積シミュレーションでの結果
KINTO各プラン毎の月額利用料と支払い総額
次にKINTOの各プラン毎のサブスク料金と契約期間毎の支払い総額です。
KINTOのサブスクリプション契約には3年と5年と7年の契約プランがあります。(レクサスモデルは3年のみ)
また契約プランには初期費用フリープランと解約金フリープランがあり、解約金フリープランも3年のみとなりますが、3年契約満了後に同じ車で引き続き再契約することも可能です。
初期費用フリープランでヤリスクロスを3年、5年、7年で契約した場合の、月々の支払額と契約期間での総支払額は以下のとおりです。
ヤリスクロス HYBRID Z 1.5L/CVT/E-Four/ 車両本体価格 2,815,000
3年 | 5年 | 7年 | |
月々の支払額 | ¥35,420 | ¥31,790 | ¥29,040 |
ボーナス払い(年間) | ¥220,000 | ¥220,000 | ¥220,000 |
総支払額 | ¥1,935,120 | ¥3,007,400 | ¥3,979,360 |
ローン購入とKINTOのサブスクリプション契約を比較した結果
ローン+任意保険新規加入で購入した場合と、KINTOを利用した場合の月々の支払額と総支払額を並べてみました。
3年 | 5年 | 7年 | ||
月々の支払額 | ローン+任意保険新規で購入 | ¥86,521 | ¥49,842 | ¥35,261 |
KNTO | ¥35,420 | ¥31,790 | ¥29,040 | |
総支払額 | ローン+任意保険新規で購入 | ¥2,700,971 | ¥3,776,869 | ¥5,009,839 |
KNTO | ¥1,935,120 | ¥3,007,400 | ¥3,979,360 |
この結果より、20代で車をローンで購入し、車両保険付きの任意保険を新規に加入するユーザーにとっては、KINTOの方が車を所有するコストをかなり安く抑えることが出来る可能性があるということがわかります。
任意保険の金額によってはKINTOの方が割高になる
一方で、任意保険がすでに20等級で最大割引(63%)に到達している、運転者の年齢制限が30歳以上に設定できるようなユーザーだと、年間の任意保険料はKINTOと同条件でも45,000円レベルになるため、総支払額ではサブスク契約期間が長くなるほどKINTOの方が割高になるケースもあります。
まとめ
ご自身の任意保険の状況やカーライフに対するニーズにマッチすれば、車の所有方法として「KINTO」は選択肢の一つになると言えます。
参考記事
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- 新車や中古車への乗り換えが決まったら
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