そんな長い歴史を持つトヨタハイエースは現行で5代目となり、2004年にフルモデルチェンジで登場してから基本構造を変えずに、市場のニーズに応えながらのボディバリエーションの拡充と先進の安全装備の追加などを行いながら現在に至っています。
また昨今のキャンプブームを受けてキャンピングカーのベースとなったり、テレワークの流れを受け移動オフィスとしての需要も高まっており、ハイエースの中古車の人気も高騰しているのが現状です。
ただその一方で走行距離が10万キロ、さらには20万キロを超えるハイエースの中古車はそれなりに劣化も進んでいますし、前オーナーの使い方でもその程度は大きく変わるため、程度のいい中古車を見つけるためにはしっかりとその状態をチェックすることが重要です。
ここでは20万キロ近いもしくはそれを超えるような、過走行のハイエースの中古車選びで失敗しないための注意点や上手な車選びについて紹介します。
ハイエースの走行距離と中古車相場
ハイエースは商用車としてハードな仕様条件にも耐えられるように、非常に頑丈にまた車全体の構造もシンプルに作られており、市場での走行距離が20万キロを超えても全然問題なく現役で活躍している車両がたくさんあります。
なので20万キロを超えるようなハイエースも中古車市場には結構な中古車価格で流通しています。
実際に走行距離が20万キロ近いもしくは20万キロを超えるハイエースの中古車とその価格相場は以下になります。
走行距離(万キロ) | 年式 | 中古車価格(万円) | グレード | 修復歴 |
61 | 2016 | 235 | 3.0 DX ロング GLパッケージ ディーゼルターボ 4WD 9人乗 | あり |
44.9 | 2007 | 70 | 2.5 DX ロング ディーゼルターボ | なし |
44.5 | 2006 | 160 | 2.5 DX スーパーロング ハイルーフ ディーゼルターボ 4WD | あり |
38.7 | 2008 | 148 | 2.0 DX ロング ハイルーフ | なし |
38 | 2014 | 168 | 3.0 DX ロング GLパッケージ ディーゼルターボ 4WD | なし |
38 | 2012 | 200 | 3.0 DX ワイド スーパーロング ハイルーフ GLパッケージ | なし |
37.1 | 2015 | 108.8 | 3.0 DX ロング ディーゼルターボ 4WD | なし |
35.1 | 2006 | 48.8 | 2.5 DX ロング ディーゼルターボ 4WD | あり |
70 | 2005 | 34.6 | 2.5 DX ロング ディーゼルターボ 4WD | あり |
33.1 | 2007 | 135.2 | 3.0 スーパーGL ロング ディーゼルターボ 4WD | なし |
カーセンサーに掲載されている走行距離15万キロ以上で走行距離が多い順に10台を表示
15万キロを超えるハイエースの中古車でも高値で流通している状況
最も走行距離が多いハイエースの中古車は20万キロどころではなくなんと61万キロ!という走行距離ですが、驚くべきはその中古車価格です。
正直掲載ミスではないかと疑ってしまうような走行距離と中古車価格ですが、トヨタハイエースの中古車価格にはハイエースならではの理由があります。
海外市場でも爆発的人気を誇るトヨタハイエース
ハイエースの中古車価格が、通常の国産車の中古車では考えられないような値段がつく最大の理由としては、海外市場での人気の高さが挙げられます。
現在トヨタハイエースの新車が販売されているのは、東南アジアをはじめとする新興国を中心に世界各国となります。
一度に10人もしくはそれ以上の乗車人数が可能なハイエースは新興国での移動手段として重宝されており、また東南アジア各国の未舗装の幹線道路などの過酷な使用環境にも耐えうる頑丈な作りが多くの自動車ユーザーの支持を得ています。
海外市場では中古車の走行距離という概念はほとんどない
海外市場における車への期待値は、”可能な限り大人数を一度に運ぶことができる移動手段であること”です。
快適性などは二の次で、とにかく車としての基本機能である「走る」「止まる」「曲がる」さえ維持できていればいいし、日本のような厳格な車検制度もない国では万が一故障しても自力で修理し走り続けるというのが当たり前です。
なので日本のように中古車の価格が走行距離や年式で決まるという概念はほぼないと言っても過言ではありません。
日本では値段のつかない過走行のハイエースも高値で取引される
そう言った海外市場の背景から、日本国内に中古車としては過走行の部類に入り中古車価格もほぼ付かない、20万キロを超えるようなハイエースも海外では非常に高い需要があります。
中古車業者にすれば、走行距離が20万キロを超えるようなハイエースを百万以上の中古車価格で仕入れても、海外市場含めた中古車販売を考えると十分利益を出すことが出来ます。
逆に言えばそう言った過走行で程度もあまり良くないようなハイエースでも、海外市場への流通ルートを持つ買取査定専門の業者を介せば高値で売却することも可能です。
中古車市場は玉石混淆で見極めが難しいハイエースの中古車
日本国内でも幅広いユーザーに人気のトヨタハイエースは前出のカーセンサーで、5代目モデルのH200系(2004〜)をみても約5000台が登録されており、中古車市場ではまさに玉石混淆の状態で、特に20万キロを超えるような過走行のハイエースの中古車で程度のいい車両を見極めるのは非常に難しいと言えます。
ハイエースの中古車選びでチェックしておきたいポイント
それでは走行距離が10万キロを超えるような、過走行のハイエースの中古車を選ぶ際にチェックしておきたいポイントについて解説していきます。
中古車購入の検討対象は5代目モデルのH200系(2004〜)として、このモデルのハイエースの中古車を選ぶ際のチェックポイントを紹介します。
エンジンオイルの状態を確認する
未使用車は別として、ある程度の走行距離を走った中古車を購入するときに欠かせないのがエンジンオイルの状態チェックです。
中古車のエンジンオイルの状態を確認する方法には二通りの方法があります。
①実際に中古車のエンジンオイルの状態をオイルレベルゲージで確認
中古車で展示されている車両には納車整備前の状態のものもあり、エンジンオイルが交換されていない状態の車両も多く、そういった中古車はレベルゲージをチェックすることでエンジンオイルの状態を確認することが出来ます。
また可能であれば是非とも実践して欲しいのが、オイルフィラーキャップというエンジンオイルの注入口のキャップを外してその裏面をチェックする方法です。
長期間に渡りエンジンオイルが交換されていない車両は、このオイルフィラーキャップの裏にスラッジと呼ばれる劣化したエンジンオイルの塊が溜まっていることが多く、スラッジが堆積している中古車はエンジンオイルのメンテナンスがきちんと行われていない可能性が大なので、手を出さない方が無難です。
②メンテナンス記録を確認する
エンジンオイルのメンテナンスに限らず、中古車がどのように維持メンテナンスをされてきたかを知る方法として、メンテナンスノートの記録を確認する方法があります。
メンテナンスノートには車検整備や定期点検などの履歴が記録されており、エンジンオイルの交換履歴も残されています。
ただし、走行距離が多く複数の オーナーにのられてきた中古車の場合だとメンテナンスノートが残っていないケースも多く、またガソリンスタンドやカーショップといった、ディーラー以外でのオイル交換記録は記載されていないのがほとんどなので、メンテナンスノートだけでは正しい判断ができない場合もあります。
エンジンの状態を確認
5代目ハイエースにはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの設定がありますが、商用車としてのニーズより市場に流通している中古車は、ディーゼルエンジン搭載モデルの方が多い状況となっています。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べトルクフルで扱いやすく、また経済性にも優れている商用車のニーズに合致したエンジンですが、デメリットとしてはカラカラとディーゼルエンジン特有の音がうるさいという点です。
エンジンが冷えている状態で始動しチェックする
ハイエースのディーゼルエンジンのトラブルで多いのはインジェクターの詰まりです。
インジェクターが詰まると機動ごとの燃焼が不安定になりエンジン始動時に激しい横揺れや白煙の発生が起きます。
それらの症状はエンジンが冷えた冷感時に顕著に起きるので、必ずエンジンが冷えた状態でエンジンをかけてみてそう言った症状がないかチェックしましょう。
他にもエンジン始動時に黒煙が出る場合はDPFがうまく機能していない、白煙が出る場合はターボチャージャーの不調等でオイルが燃えていると言った可能性があります。
いずれも修理するとなると10万円以上の費用がかかりますので、そう言った症状が見られるハイエースの中古車には手を出さない方が良いでしょう。
ミッションの状態をチェックする
ミッションもエンジンと同様にミッションオイルの状態を確認することで、そのハイエースの中古車のコンディションを確認することが出来ます。
ハイエースのミッションオイルを確認するには助手席のシートを跳ね上げるとミッションのオイルレベルゲージがあるのでそちらから確認します。
ミッションオイルが白濁している車両は冷却水が混入している
ミッションオイルの状態を確認した際に、レベルゲージに付着したオイルがサラサラでコーヒー牛乳のような色をして白濁している場合は、ミッションオイルに冷却水が混入しています。
この原因はラジエター内のオイルクーラーの配管が腐食してそこからミッションオイルとクーラントが混ざり合ってしまうというものですが、走行距離が10万キロを超えるハイエースの中古車にはよく見られますので、10万キロや20万キロの走行履歴のあるハイエースの中古車では必ずミッションオイルの状態をチェックするようにしましょう。
ちなみにミッションオイルに冷却水が混入していないかは、ボンネット内にあるラジエターのサブタンクの冷却水の量と色を確認することでもチェックできます。
ボディの腐食状態のチェック
フロントタイヤハウスの状態をチェック
5代目のH200系に限らず、ハイエースの中古車のボディ状態を確認する際は、必ずフロントタイヤハウス内の腐食状態をチェックしましょう。
ハイエースはフロントのタイヤハウス内が腐食しやすく、走行距離が20万キロを超えるようなハイエースの中古車の場合その殆どはタイヤハウスの前側が腐食しています。
室内側からも錆の状態をチェックする
ハイエースはフロントタイヤの上に運転席と助手席が乗っかるレイアウトですが、室内側からもタイヤハウスの錆の影響をチェックします。
具体的な方法としては、運転席もしくは助手席のドア開口部のホイルアーチに沿って設置されている樹脂のモールを外し、フロアカーペットをめくってフロアの錆の状況を確認します。
タイヤハウス内で発生したサビがどんどん進行すると車室内のフロアまで侵食し、孔が開きます。
フロアカーペットをめくってみてフロアまでサビが進行している、もしくはフロアがベコベコした状態の中古車は後々大がかりな補修が必要となります。
荷室の床の腐食状態もチェック
ハイエースは基本的に商用車であり荷室は過酷な使用条件に晒されてきた中古車が多く、荷室のフロアパネルも腐食や凹みなどのダメージを受けている車両が多いので、その状態は必ずチェックするようにしましょう。
大前提として寒冷地での使用履歴がある中古車は避ける
ここまでハイエースの中古車を選ぶ際に腐食状態などをチェックするポイントを紹介しましたが、中古車選びの大前提として押さえておきたいのが、「寒冷地での使用履歴がある中古車は避ける」ということです。
寒冷地では冬場に道路に塩化カルシウムを含んだ凍結防止剤を撒くので、そう言った道路状況の中を走行した車は下回りが激しく腐食します。
そのダメージはボディだけでなく、足回りや排気管、ブレーキ配管など車両フロア下にある全ての部品に及び修理には大きな金額が必要となるケースも多いです。
寒冷地での使用履歴がある中古車は全国どこにでも存在しますので、中古車を購入する際にはしっかりと現車確認をすることが重要です。
現車確認なしでも安心してハイエースの中古車を購入する方法
その一方で、県外に自分の条件に合ったハイエースの中古車がある場合など、現車確認が出来ないといったケースもあります。
中古車は陸送費を払えば基本的に全国どこからでも購入可能ですが、現車確認をせずに購入するのはリスクがあります。
条件に合ったハイエースの中古車が見つかったけど遠方だし時間もないので現車確認ができない。。
そんな時は代わり中古車選びのプロに現車確認をしてもらうという方法があります。
それが
「中古車提案サービス」なら、自分での現車確認なしでも安心してハイエースの中古車を購入することが出来ます。
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