
中古車の水没車は見分けることができる?水没車を掴まない中古車選び
中古車市場には様々な使用履歴を持った中古車が流通しており、その中には大雨などにより水没してしまった車も中古車も混じっていることがあります。
水没車は中古車売買では「災害車」として扱われ、中古車販売を行う際にはその旨を告知する義務が発生しますが、実際には水没車であることを告知せずに販売している悪質な中古車販売店もあります。
そのような売られ方をしていた場合、水没履歴のある中古車を一般のユーザーが完全に見分けることはできません。
ただし完全ではないにしても、水没車の特徴(見分け方)を知っておけばある程度は水没車という不良物件に手を出してしまうリスクを回避できます。
悪徳業者から水没車を買わされてしまったということがないように、知っておきたい水没車の特徴(見分け方)と水没車を買ってしまわない安全な中古車選びの方法を紹介します。
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近年増加傾向にある水没車
2018年7月に西日本で発生した「平成30年7月豪雨」や、2019年の台風19号でも多くの車が水没する被害に遭いました。
地球温暖化の影響ともいわれる異常気象の発生増加により、今後も豪災害等による水没車は増えると言われています。
水没してしまった車は完全に修理することは難しく、車両火災など人命にかかわるような重大な不具合が突然発生するリスクを抱えています。
なので中古車業界でも、日本国内市場では売り手側も販売した後の煩わしさを避けるため、水没車は廃車にするのが一般的です。
知っておきたい水没車の特徴・見分け方
それでは一般ユーザーでも確認できる水没車の特徴について解説していきます。
水没車は「シミ」「錆」「臭い」の3つの特徴がある

水没車は「シミ」「錆」「臭い」の3つの特徴がある
車が冠水して車室内まで水没すると車内の布や革製品も濡れてしまいます。
シートや内装の布や革部分が沢山の泥汚れを含んだ水に濡れてしまうとシミが発生し、そのシミは部品交換をしない限り完全に除去することは出来ません。
ドアの内張やシートの同じような位置に線状のシミがある場合は、その部分まで水没していた可能性が大です。
運転席や助手席は念入りに掃除しているものの、リアシートの足元やリアドアの内張には水没痕のシミの痕跡が残っていることもあるので、車内をチェックする時はリア周りをしっかりと確認しましょう。
あとセダンタイプの車であればトランク、ミニバンやワンボックスなどは荷室の状態も要チェックです。
シートベルトの巻き取られた部分のシミを確認
シートベルトを全部引き出してみてシミや変色の度合いを確認します。
シートベルトの巻取り部分は車室内のフロア近くの低い部分にありますので、冠水した場合シートベルトの巻取り部分も水没します。
シートベルトの大部分は常時巻取り機の中に納まっていますので、水没後に十分な乾燥や清掃が行われていないとカビが生えたり変色した状態となります。
ちなみにシートベルトを全部引き出して確認するのは水没の有無だけでなく、喫煙履歴があるかどうかを確認するのにも有効です。
車内足元の鉄部品の錆を確認

運転席の足元のアクセルペダルやブレーキペダル
車両の室内にはブラケットなどの鉄部品も多く、これらの部品は基本的に外部に晒されないため防錆処理ももっともグレードが低い処理が採用されています。
これらの部品が水没するとあっという間に赤錆が発生します。
運転席の足元のアクセルペダルやブレーキペダルなどの操作系の可動部分や、更にその奥のダッシュパネル裏に近いところに付いているブラケット類の錆をチェックするのも有効です。
ダッシュパネルの奥は掃除がしづらいため、水没した際に付着した泥がそのまま見落とされ残っている場合もあります。
エンジンルーム内の錆の状態をチェック
ボンネットを開けてエンジン本体またはミッションケースなどアルミや鋳鉄の部分を確認し、極端な赤錆や白錆の発生がないか確認します。
高潮などにより海水の浸水を受けた場合、車両下回りやエンジンルーム内のアルミや鉄部品や激しくさびることが多く、鋳物部品の表面が真っ白くなるほど錆びている車は海水による水没履歴が疑われます。
エアコン作動時の臭いをチェック
車が水没すると車内の様々な場所が浸水しそれが臭いの元となって残ります。
特にエアコン内部は浸水によってカビが発生したり泥が残ったままになりやすく、これらがエアコン作動時に臭いを放ちます。
エアコンやヒーターを作動させてカビの臭いや泥くさい臭いがしないかチェックしましょう。
・中古車の水没履歴を見分けるには「シミ」「錆」「臭い」の3つをチェック
・シミは運転席や助手席だけでなくリアシートや荷室もチェック
・錆は運転席の足元のペダル類の可動部やダッシュ付近にあるブラケットを確認
・エンジンルーム内のアルミや鋳鉄部品の表面錆の状態を確認
・エアコン作動時の臭いを確認する際はヒーター作動時もチェック
水没車を掴むことなく安心安全な中古車選びのおすすめの方法
中古車を選ぶ際に上記の観点でチェックすることで、水没履歴がありながら隠して販売されているような中古車を購入してしまうというリスクはある程度回避できます。
しかしながら冒頭でも述べた通り、一般のユーザーが中古車の水没履歴を完全に見分けることはできません。
やはり安心安全に中古車を購入するためには「信頼できる中古車販売店から購入する事」につきます。
信頼できる中古車販売店には、新車ディーラーや全国展開をしているような大手中古車販売店などが挙げられますが、最寄りにそう言った店舗がないとか車種など希望する条件に合った中古車が見つからないといった時は、希望条件に合った中古車を提案してもらうという方法もあります。
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自分の車が水没してしまった時の処理方法について
ここまで水没車の特徴と見分け方、水没車を掴んでしまわないための中古車選びの方法について紹介しましたが、ここからは今現在お乗りの愛車が不幸にも水没車になってしまった場合の対処について解説していきます。
車両保険に入っている場合は保険請求準備を
任意保険に加入し車両保険特約を付帯していれば、車が水没した場合は車両保険のグレードにかかわらず保険金が支払われます。
なので必要な準備をして保険請求を行いましょう。
ただし、地震の津波によって車が水没してしまった場合は車両保険は支払われません。車両保険の支払い対象は台風の高潮や豪雨による河川の氾濫による水没の場合のみになります。
水没による被害の状況をしっかりと記録に残す
愛車が水没してしまって車両保険を請求する場合は、水没がどの程度であったかが重要となってきます。
なので水没している状態もしくは水没直後の状態は掃除をする前に必ず写真を撮るようにしましょう。
写真はスマホでの撮影でもかまいませんので、細部までしっかりと撮影するのがポイントです。
車室内はもちろんエンジンルーム内やトランク内まで確実に記録を残し、水没の程度がわかるようにします。
車両室内まで浸水するような水没は、ほとんどが全損扱いとなりますがしっかりと記録を残していないと十分な補償が受けられない場合もありますので、多少面倒でもしっかりと時間をかけて対応することが重要です。
水没車の移動ってどうする?移動方法と対処
自宅や出先を問わず、実際に車が水没して動かなくなりその場に放置せざるを得ない状況となった場合、水が引いた後にその車を移動させる必要があります。
当然自力では動くことが出来ないのでレッカー移動させる必要がありますが、そのためにはレッカー車を手配する必要があります。
レッカー車の手配方法としては、
- JAFにお願いする
- 任意保険に付帯するレッカーサービスを利用する
- ディーラーや中古車販売店に頼む
- 廃車専門の買取業者へ依頼
といった方法が挙げられます。
1.JAFにお願いする
JAFにお願いした場合は以下の料金が発生します。
~15km | 15㎞~ | |
JAF会員 | 無料 | 730円/㎞ |
JAF非会員 | 13,130円 | 730円/㎞ |
2.任意保険に付帯するレッカーサービスを利用する
保険会社により異なりますが50kmくらいまでは無料で対応してくれるところもあります。ただし保険会社経由で手配調整するため結構な時間待たされます(経験上)
3.ディーラーや中古車販売店に頼む
ディーラー毎に異なりますがレッカー作業に伴う料金が発生します。またそのままディーラーや中古車販売店で廃車処理を行う場合、廃車費用が掛かったり廃車にする車両の残存価値はゼロ査定となっていしまうことがほとんどです。
4.廃車専門の買取業者へ依頼
廃車買取専門の業者は基本的にすべての手続きや処理を無料で引き受けてもらえ、さらに廃車となる車両の価値を評価し買い取ってもらえます。
なので、水没車の移動含めた処理は、廃車買取専門業者に頼むのがベストだといえます。
水没車(冠水車)に関するQ&A
Q:水没した車にはどんなトラブルが起きる?
A:水没した車がその事実を隠して中古車市場に流通し、一般ユーザーの手元に渡ってしまった時に起こるトラブルは、「突然車としての機能が失われる」ということです。
車の機能が失われるというのは「走る」「止まる」「曲がる」事が出来なくなってしまうということですが水没車の最大の問題点は、それが「いつ何時発生するか判らない」という点です。
例えば高速道路を走行中に突然エンジンが停止してしまい動けなると大変危険な状況になります。
そういったことが何の前触れもなく突然発生します。
さらには水没車の場合車両火災が発生する頻度も高く、どちらも人命に関わる重大なトラブルだといえます。
Q:水没車に起きるトラブルの発生原因は?
A:水没車でこれらのトラブルが発生する最大の原因は、電気系統のショートです。
ご存じの通り自動車には発電機と電気を蓄えるバッテリーが搭載され、エンジンやヘッドライト、オーディオ類などの電装品に電気を供給しています。そしてこの電気の供給はワイヤーハーネスと呼ばれる電線を介して行われています。
車が水没して搭載された電装品が水没してしまうと、これらの部品がショートしたり電気的な接点が錆ついて正常に機能しなくなります。
特にショートした場合は車両火災に繋がる恐れがあり、特にハイブリッド車の場合は高圧電流が流れるためさらにそのリスクは高まります。
ちなみにハイブリッド車には法律で規定されたフェィルセーフ機能が搭載されているので、水没等が発生した場合は瞬時に回路が遮断されます。
なので水没による漏電で感電する事はありませんが、ハイブリッドシステム内部に水が浸入する事による電気回路ショートのリスクは十分にあります。
Q:一度水没した車は完全に元の状態まで修理することは出来ない?
A:車両室内の足元まで水が侵入し足首くらいまで冠水してしまうと、その車は水没する前の状態戻すことはほぼ不可能です。
その理由は足首の高さまで冠水してしまうと、エンジン系の制御を行っているECUというコンピューターが水没してしまうからです。
車両室内に設置されているECUは水に濡れることは想定していないため防水機能がありません。
またECUはコンピューターの信号をワイヤーハーネスを介して車両各部とやり取りしており、このハーネスが水没すると毛細管現象によって水があらゆる電装品へ侵入してしまいます。
そういった状態になると電装系全般にショートなどの異常が発生するリスクを抱えることになりますので、全ての電装系統を丸ごと交換する以外修理する方法はありません。
Q:水没車であることを隠して販売する中古車業者は本当にいるの?
A:「災害車」となる水没車は安く仕入れることが出来るため、水没車であることを隠して一般的な相場価格で売りさばいて利益を得る悪質な中古車販売業者もいるということです。
特にSNSを通じての販売や、オークションのような売買形態ではそういった詐欺行為が横行しているので、年式や走行距離に対し極端に安く売られているような中古車は要注意です。
悪質な中古車販売業者に嵌ってしまわないためには、やはり信頼できる中古車販売店から購入するというのが大原則となりますね。

カーライフアドバイザー 篠崎 律子
記事内容は編集部の体験談や独自のリサーチ結果に基づく内容が含まれています。
記事内容に関するご意見等は、お問い合わせフォームよりお願い致します。
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